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これらのことからわかるように、トラス・ショックは政府(財政当局)と中央銀行の間の連携の確保、政策に関する情報発信・情報提供のあり方、想定外のリスクが生じた際の金融機関のリスク管理の問題など、さまざまな課題を浮き彫りにする出来事であった。
トラス・ショックについては、「安易な財政拡張に対して警鐘を鳴らすもの(海外の事例から得られる大事な教訓)」というような形で、財政をめぐる議論の中でしばしば引き合いに出される。だが、このような扱い方をすると、「日本がギリシャにならないために」というフレ ...
少し引いたところから日本全体をながめると、北海道と東北の4県(青森、岩手、宮城、秋田の各県)の出生率は東京都の出生率を下回るか(北海道と青森、宮城、秋田の各県)、同じ水準(岩手県)となっている。 東京都区部と岩手県の比較 このグラフを作成する際に利用している出生数と ...
「シルバー・デモクラシー(シルバー民主主義)」という言葉が人口に膾炙してから久しい。その象徴として、国政選挙での若年層の低投票率などが取り上げられる。これは選挙報道で各党や各党候補者を平等に扱えず、かといって政策検証などは関心をひかないため、中高年視聴者や読者の ...
HSP (敏感すぎる人)という言葉は、人々の生きづらさを巧みに表したことで共感をよび、広く知られつつある。だが、本来は心理的特性を表すこの考え方が独り歩きし、根拠に乏しい発信が多くを占めている現状がある。それだけでなく、心理的特性であるHSPを(障害や疾患のように)「治療 ...
2022年2月19日に行われた、早稲田大学教育学部一般入試の国語問題(第一問)に、私の著書『フーコーの風向き-近代国家の系譜学』(青土社、2020年)の一部が用いられた(44-51ページ)。 それについて、はじめは何の気なしに問題を解いてみた私は、結果的に以下の問い合わせを早稲田大学 ...
しかし、「極端な人」は少数ではあるものの、その社会的影響力は計り知れない。ネット言論の多くの部分をしめ、まるでマジョリティのような顔をしている。しかも、研究では60~70%の「極端な人」が、許せなかったから・失望したからといった正義感から他人を攻撃していることが分かって ...
デジタル入学資格試験は、2016年から2019年にかけて漸進的に導入された。導入に関する政府の検討が始まったのは2011年である。目的は、学力低下への対策ではなく、ICT化が進む職場環境(仕事の場でICTを使う割合80%弱)(注4)と学習環境のICT使用に乖離がある状況下で(学校でICTを使う割合20 ...
ここで現代からすこし過去にさかのぼってみたい。人々は見えない敵である感染症に対して、病気に感染した人の隔離、ワクチンの開発などさまざまな対策を講じてきた。感染症対策の長い歴史の中で、対策の武器の一つに数理モデルが加わったのは比較的最近のことである。イギリス政府が ...
現在、感染が終息したわけでもないのに、自粛期間が過ぎて、人々は外出を始めている。もともと人間には、自由に外を出歩くことと、家の中で安心して過ごすことの両方が必要である。そのことを人間学の観点から述べたのが、オットー・ボルノウである。彼は「人間の内的健康は、世界と ...
以上を踏まえると、現在の状況下で9月入学を推進する意義はどこにあるのだろうか。よく聞かれる一つのロジックは、「学びの保障」の観点から、休講措置で失われた学びを取り戻すというものである。これがもし、当事者である学習者の声として聞かれるのであれば、仮にその意見が ...
1.ネットによる「社会の分断」本年1月末、イギリスはついにEUを離脱した。だが、それをめぐって二分された世論の溝は、そう簡単に埋まりそうにはない。ふたたび大統領選挙を迎えるアメリカでも、共和党と民主党の、あるいは保守とリ ...
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